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091002 ユーモア

話はこうである(コメント欄の2番目)。煩を避けるため欄外にその全文を複写しておいた。
知英派によると、イギリス人は真面目な顔をして皮肉を語るというのである。
この話の皮肉もよく効いているのである。
未開の人に対する横向きの啓蒙(おせっかい)をユーモアと呼ぶ。
                   
見えない差別の話である。
見えない差別という言い方は形容矛盾である。
見えない差別があるということが見えているということだからである。
それは実は見えている差別だということなのである。

本当の見えない差別の一例がうまいお酒である。
多くの日本人は、そういうお酒があることを知らないのである。
知らされていないのである。
しかし、ごく一部の日本人等はそれを知っているということである。

しかも、そういううまいお酒をより取り見取りで呑み親しんでいるのである。
そこには明かに幸福を授かった人とそうでない人がいるということである。
そうでない人は、そのことすら気付いていないのである。天による差別なのである。
そういうお酒があることを伝える庵主の行為は不幸な人に対するユーモアなのである。

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「飛行機」
ある、イギリスの航空会社だったと思います。

エコノミークラスに座っていた白人女性が、スチュワーデスに不満をぶつけました。
隣に黒人がいるから、不愉快などなど~~。
他の人々から白い目でみられながら、『この席は嫌だ~~~』などなど。

飛行機上では機長の許可がおりなければどうしようもありません。

そこで、スチュワーデスは機長と話し合い~~~。

スチュワーデス『お客様、大変お返事が遅くなりまして申し訳ありません、
席を替えさせて頂きます』

やおら立ち上がろうとしたこの白人女性に向かって
スチュワーデス『そのまま、ここにお座り下さい』

怪訝な顔をする白人女性。

スチュワーデスは、隣の黒人に向かって『お客様、大変ご不便をかけて申し訳ありません、
ファーストクラスへお連れいたします』

これらのやりとりを見ていた他の乗客は、ヤンヤンヤの喝采。

機長とスチュワーデスは、後日会社から表彰されました。

私は、在米者ですが「差別」は確かにあります。 見えないところで多くあるようです。
品物があるのに『ありません』などなど。

確かに差別されるだけの理由もあるのですが、別の機会に書きます。

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松元ヒロの擽り〈くすぐり〉(与笑=人を笑わせる小ネタ)にこういうのがある。
皇室の悪口を言って客を笑わせるのである。
そして、だめ押しをするのである。
「お客さんも笑った以上同じことを思っているということですから、共犯ですからね」

その不謹慎に気付いたお客がまたどっと笑うのである。。
笑いのだめ押しである。
これは可笑しい。なぜか、お腹がよじれるほど可笑しいのである。
人の心の中にある差別心〈さべつごころ〉を擽ると人は喜ぶのである。

客は、自分の心の中にある差別心〈さべつしん〉を思い知らされることで苦笑するのである。
インテリを自称して、自分は差別なんかしない立派な人なのだと思っていても、
やっぱり人を差別することに喜びを感じるではないかと己の性〈さが〉を知る苦笑である。
それでも、笑いをとどめることができないのだから、人は差別が大好きなのである。

「航空機」の話を読んで、差別はいけないと思った人も同様である。
そういう人はみんな心の底ではちゃんと黒人を差別しているのである。
ユーモアは、そういう人間の性〈さが〉を抉りだすのである。自覚していない蒙を啓くのである。
逆にこの話のどこが可笑しいのか分からない人はよくできた人なのである。馬鹿ともいうが。

by munojiya | 2009-10-02 00:46 | 酒の肴 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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