091021 お酒のコマーシャル
お米を大切にして醸したエコの時代の最先端をいくお酒、
三増酒。
純粋アルコールの美しさと磨きこまれた伝統の技が光ります。
裏を返していえば、
インパクトのない薄っぺらな味わい、
印象に残ることなく消えていく不確かな呑み心地、
心に物足りなさが残る後腐れのないつまらない余韻ということである。
あのー、紛い物をいくら極めても本物にはならないんですが。
人工イクラがいくら芸術的に美しくなっても、美味しくなっても、ちょっと違うのである。
醸造アルコールをいくら磨いても、その最高峰は、同時に一番まずい酒なのである。
アルコールは致酔飲料ではあるが、それ自体はお酒ではないということである。
書籍の本質はそこに印刷されている情報にあるが、情報をもって本と呼ぶことはできはない。
情報だけというのはいうならば裸の女である。身も蓋もないのである。はしたないともいう。
ちゃんと服を着て化粧して、いい言葉遣いをして女なのである。その心ばえが女なのである。
お酒もそれと同じである。飲み手は、物〈ぶつ〉ではなくその心ばえを呑んでいるのである。