091029 醸造アルコールはCGである
冒頭10分ぐらいのところで、庵主のツボを押す泣ける場面があったので入場料の元はとれた。
で、CGの話であるが、映画を見ていてもそれと気がつくことはなかった。
ちょっとクサイ映像があって、その場面がそうかもしれないと思った程度で気にはならない。
つまり実用上は全然問題ないのである。
それが目障りになることはなかったからである。
しかし、CGはそれが使われているということを知ったときに違和感がぬぐえないのである。
見ている分には気にならないのに、なんとなく本物じゃないという不快感が残るのである。
気分の問題なのである。騙されたという苦笑である。馬鹿にされたという不愉快な思いである。
そして、CGも上手に使ってあればそれは隠し味ということになるが、
それが多用されていると鼻につくことはいうまでもない。あざといということになる。
CGはお酒における醸造アルコールに似ているのである。必要悪〈てぬき〉である。
手抜きが悪いというのではなく、それがばれたのではつまらない世界もあるということである。
日常の食事は時間や金をかけて作ってられないが、割烹でそれが出てきたら寂しいのである。
アニメは全編CGみたいなものだが、太陽のあとに見た「サマーウォーズ」の方が楽しかった。
アニメは所詮デザートだが、それが美味かったのである。細田守と奥寺佐渡子を銘記した。
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奥寺佐渡子は、あの「時をかける少女」のシナリオも手がけていた。奥寺ヨシッ!、である。
信州上田が舞台の「サマーウォーズ」に出てくるお酒は「御園竹」である。芸が細かい。
で、おばあちゃんの遺書の封が×になっているのである。若い人が作った映画に微笑。
「締め」は、×(ばつ)でもX(エックス)でもメ(片仮名のメ)でもなく「〆」なのである。