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100101 空と無

空〈くう〉と無の違いである。
なんにもないのが無である。気が存在しない状態である。死の世界である。
空は、気が充満していてそれが安定している状態である。
普通の状態は気が躍動している状態をいう。混沌ともいうが同じである。生〈せい〉である。

庵主が、漢字はよく出来ていると思うのは先に書いた解熱がそうである。
病状の発熱を下げる目的は、単に体温を下げればいいということではなく、
発熱の原因を解くことなのである。だから解熱と書くが、下熱とは書かない。
漢字を遣いこなせる人は本質が分かっているということである。

真空がそうである。真空状態とは無の状態ではなく気が充満してるということである。
充満している気が拮抗しながらも安定している状態なのである。真空は生にして静である。
宇宙は真空であるというときの真空を真無といわないのにも唸らされるのである。
漢字は時として本質を突いているのではないかと思われることがあるからである。

映画監督の小津安二郎の墓碑銘はただ一文字「無」と彫ってあるという。
お酒ではそのものズバリ「無」という酒銘がある。「八重垣」である。
いつもそれを目にするたびに心は引かれるのではあるがまだ呑む機会がない。
「むの字屋」の「む」は無ではない。庵主の苗字の頭文字である。「む」は夢とも書くが。
by munojiya | 2010-01-01 00:54 | 酒の肴 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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