10-02-05 お酒の呑み方には二つある
お湯で割るときは先にお湯を入れる。
そうすればお湯の温度で、上に乗せた焼酎の香りがより引き立つからである。
先に焼酎を入れて、後からお湯を入れてかき混ぜれば大して変わらないとも思うが。
そのあたりは、ミルクティーを作るときに、
先に紅茶を入れるか、ミルクを入れるかの流儀の違いみたいなものである。
流儀というのは自己主張のことである。こだわるともいう。または癖とかスタイルともいう。
傍から見れば馬鹿馬鹿しいことに執着することである。その執着を文化ともいうのである。
で、なぜわざわざ焼酎を割って呑むのかというと、
アルコール度数をその時の体調に合わせて調整できるからだという。
ということは、味わって呑んでいるのではないということなのである。
庵主はお酒は味わって呑むものだと思っているから、それは流儀が異なる呑み方なのである。
それは酔いを楽しむ呑み方である。
味はうまいに越したことはないが、それよりもだらだらつづく酔い心地を楽しむのである。
酔生夢死の酔生を現出させる快感〈マジック〉に酔うのである。
お酒は魔法の薬でもあるのだ。心ゆたかになれる、そう錯覚させる魔法の薬なのである。