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2010-05-18 純米酒とアル添酒

米と米麹だけで造るお酒を純米酒という。
それが本来の日本酒である。
その純米酒にアルコールを添加して造ったお酒がアル添(アルコール添加)酒である。
純米酒はすでにアルコール分を有しているのに、何のためにアルコールを添加するのか。

下世話に言ってしまえば、安いアルコールを混ぜることで製造原価を下げるためである。
戦時中に、お酒の原料である米が不足したときにアル添酒の研究が進んだという。
兵隊さんが呑むお酒の需要は減っていないのにその原料米が足りなくなったのである。
少ない原料米からお酒を増量するための手段がアル添だったというわけである。

いうなれば、お酒の水増しならぬアルコール増しである。
100%ジュースを水で薄めて、フルーツの香りが乏しくなったら香料を加え、
甘味が足りなくなったら人工甘味料を入れて、はい、ジュースですというようなものである。
そんなお酒がうまいわけがないのである。常識的には。そしてその常識はほとんど正しい。

ただし、アル添がすべて増量のために行なわれているわけではないということである。
アル添自体は戦争の前から、増量とは別の理由でも行なわれていたことである。
また戦後は吟醸酒造りのためになくてはならない技術としてアル添が行なわれている。
要は、使い方次第だということなのである。では、どっちがうまいかは、また明日。
by munojiya | 2010-05-18 00:16 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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