2010-05-31 小さな心遣い
書店で図書カードを使うという。余談であるが今は図書券はない。カードになったのである。
使い切ったカードのときに、このカードは処分してもよろしいですかと聞かれるという。
もう使わないので処分してくださいというと、その先の対応に二つあるのだという。
そのカードをカウンターの下のごみ箱にポイと捨ててしまう人と、
後の棚などにそっとそのカードを置く人とである。
いらなくなったものだから、ゴミなので、ポイと捨ててもかまわないのだが、
それをやるのは客がいなくなってから見えないところでやってほしいというのである。
それが小さな心遣いではないだろうか。永六輔さんもそれに頷くのである。
いらなくなった犬・猫のペットを見えないところで処分するのも小さな心遣いなのである。
アメリカ軍の戦闘の様子をTVの映像で流さないのも小さな心遣いなのである。
お酒に醸造アルコールを混ぜることを見えないところでやるのも小さな心遣いなのである。
要するに、汚いものは見ないということで存在しないことにしてしまう智恵である。
そうすることで気分よく生活するできるからである。美しく生きるための処世術なのである。
美の裏には必ず醜が貼り合わせになっているのである。表を文化といい、裏面を宗教という。
美しい人は醜に目を瞑れる人である。それができない人は酒で心を紛らわせるのである。