2010-07-22 人間とは何か
学問を極めれば何でもわかるという夢をいだいている人達である。
その人たちは、人間のなにが知りたいのだろうか。
庵主は、酔狂なことでと、うまいお酒を味わいながらその様子を眺めているのである。
神様を売る商売というのがある。
神様を手に入れれば問題はなんでも解決するという夢を売る商売である。
それと同じ振る舞いを学問好みの人達に見るのである。
人は、神様がいないと心が落ち着かないものだということは分かるのである。
庵主が、その様を見て笑って見ていられるのは、すでに神様を手に入れたからである。
人が一生懸命やっていることを笑ってはいけないのだろうが、
あくまでも、それはその人の価値観の中では価値のあるものだということである。
己の知性を誇っても所詮人知である。優越感にひたっても五十歩百歩だろう。
蜜柑と林檎はどちらが正しいか、いえるわけがない。両方あるからいいのである。
学問の人は現実が見えていないということで不幸な人でもある。
人間とは何か。現にその結論が日々こうして生活しているではないか。
庵主はお酒の中に神を見てしまったのである。それはうまいという真実だったのである。