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2010-08-03 納涼 背筋が凍る怖いセリフ

往時は、夏になると納涼と称して怖い話を出し合うのが日本人の知恵だった。
いまは日本人の民度が落ちて、自分だけクーラーで涼めばいいという利己的な人が増え、
室内の暖気をみんな室外に吐き出すものだから、外を歩く他人は汗だくなのである。
そんなときにでも言葉の冷気がよく効くことがある。

言葉の暴力という威力もあるが、言葉はまた冷や汗を誘うことがあるのである。
庵主が知っている言葉の中で一番怖いセリフはこれである。
最初は笑ってしまうけれど、あとでぞーっとするのである。これは怖い。背筋が冷たくなる。
娘がいなくてよかったと、庵主は胸をなぜ下ろしたのである。

「お母さんはいいわねぇ。
お父さんとは紙でつながっているだけ だけど、
私なんか、血でつながっているのよ」
不器量な娘を作ってしまった父親には なす術〈すべ〉もないのである。

それを考えたら家族というのは、それ自体が怪談よりも怖い関係だといえるのである。
もっと怖いセリフ。「お酒は一日二合ぐらいなら毎日呑んでも大丈夫ですよ」
庵主がお医者さんのいうそのセリフを真に受けてそれを実行したら間違いなく体を壊す。
身を滅ぼすのである。甘い言葉ほど怖いものはないのである。

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女の人がしてくれた話の方がずっと怖かった。読まない方が御身のため。

by munojiya | 2010-08-03 00:40 | 酒の肴 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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