2010-08-10 事実は悲惨だが穏当な解決策
若い親によるわが子殺しが新聞等の煽り記事になっている。
近頃の若い親はどうなっているのだという論調である。
そういう母親の世代を育てた一つ上の世代の人達がしたり顔でそう非難するのである。
二人の子供をマンションに閉じ込めて餓死させた若い女親が当今の話題である。
母親から見捨てられた二人の子供の写真を見るとその哀れな命に涙をもよおすが、
しかし、若くして世に見切りをつけたのは穏当な解決策だったと庵主は思うのである。
だれも面倒をみない子供が今後まともに生きていくことはむつかしいことだろう。
また生きていけたとしても親に虐待された子供は将来同じ行動を繰り返すことが多いという。
将来の禍根を断つ決断だったのである。知恵は感じられないが次善の選択だったろう。
結果的には不幸の再生産を防いだことになる穏当な解決策だったのである。合掌して終わり。
子供を殺したのは実はその親ではないという指摘がある。たしかにその通りなのである。
「同情するなら金おくれ」というセリフがあった。心にもない同情を見透かしている。
いたずらに同情をさそうだけの報道姿勢には辟易するだけだということである。筆が甘い。
新聞記事で金を取ろうというなら、解決策の案を示さないのでは床屋談義に等しい。
うまいお酒とはこれだと提示しないのではその記事が役に立たたないのと同じである。