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2010-10-11 若い人

手品という芸術(目なぐさめ)がある。
一般的には下世話な見せ物とされているが、手品はなかなかうがった技なのである。
人の心の裏を読んで、その盲点を衝くことで、不思議を造りだす芸能である。
人間が判らないとやれないのである。その裏側を見抜く人の悪さが不可欠である。

つまり、人間には表の面と裏の面があるということである。
表の面を讃えることを文化という。裏面に親しむことを卑猥という。両者は同じ物である。
背に腹は替えられないという。その背中を人は自分で見ることができないのである。
手品の面白さは、人には自分では見ることができない背中があることを教えてくれることだ。

若いということは人間の表の面をどんどん吸収する時期だということである。
裏を見るまでもないのである。年をとるとだんだん見えてくるからである。
それを丸くなるという。なあに、感性が鈍ることをいうのである。
「むの字屋」は多分に、裏面に触れているから、これを読んで未来に絶望することはない。

絶望する時期が来るとしても、今生きている人が死ぬまでにはそれは来ないからである。
それまでは、本屋に行って並んでいる本に夢を抱くのが正しい。それをしないと損をする。
年をとって本屋の棚を眺めてみると裏が透けて見えてしまうのである。苦笑するのである。
年をとると、いいことが一つだけある。お酒がうまくなるのである。長生きにも余得がある。
by munojiya | 2010-10-11 00:13 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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