人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2010-10-18 「一ノ蔵」の冷やおろし

お酒造りの季節である。
中小の蔵は、十月半ばあたりから造りにはいる。
約一か月でお酒はできるから、十一月の末には今年の新米で作った新酒が呑める。
大きい蔵では、九月の初めから仕込みにはいるところもある。

そういう蔵なら、もう今年の新酒を呑むことができる。
ワインなら、ボジョレ・ヌーボーといったところである。
新酒の前に出回るのが冷やおろし〈ひやおろし〉と呼ばれるお酒である。
半年の熟成を経て、夏を越して味が乗って来たところで出てくる生詰のお酒のことである。

普通のお酒は、搾ったときと、瓶詰にするときに火入れをする。二回、加熱殺菌をする。
冷やおろしは、最初の火入れのみで二回目の火入れをしない生詰のお酒である。
最初の火入れをしないで、瓶詰の時だけ火入れしたお酒は生貯蔵酒という。
まったく火入れをしないお酒は生酒である。生生とも呼ぶ。温度管理に気を使うお酒である。

うまいという噂を聞いて庵主が呑んだのが「一ノ蔵」の冷やおろしである。
四合瓶で1237円だった。宮城県産米、磨き55%の特別純米酒である。地酒である。
庵主が冷やおろしを好んで呑まないのは、それは庵主にとってはまだ若い酒だからである。
「一ノ蔵」は味がしっかり。これなら呑める。開栓して二、三日すると味がふくらんだ。
by munojiya | 2010-10-18 00:35 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya