2010-12-19 日曜日のくつろぎ篇 日本人の諧謔
「後ろで大きな爆発音がした。俺は驚きながら振り返った。」
ケータイ小説
「ドカーン! びっくりして俺は振り返った。」
ラノベ
「背後から強烈な爆発音がしたので、俺はまためんどうなことになったなぁ、とか
そういや昼飯も食っていないなぁとか色々な思いを巡らせつつも
振り返ることにしたのである」
『山田悠介
「後ろで大きな爆発音の音がした。俺はびっくりして驚いた。振り返った。」
水嶋ヒロ
「後ろで大きな爆発音がした。土管が爆発したな。ドカーン、なんちゃって」』出処(55番)
ベストセラーというのがある。庵主は買わない。多くの人が読んでいるのだから
庵主一人が知らなくても全然問題ないと思ってしまうからである。
お酒は逆である。これがうまいというお酒を聞いたらすぐに飛びつくのである。
そういうお酒の話を聞いたら即買いに行くのである。「むの字屋 ドカーンよりぬる燗だ」。
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アマゾンの「KAGEROU」のレビューには笑っちゃった。壮大な笑い話集になっている。
『私は次の作品も是非読みたいと思います。』というのもあった。
「もっとまともな本を書け」を、レビューではそう書くのである。読者の方が文章が上手い。
この人、その先にこう書いているのである。『とりあえず商品の到着が楽しみです。』
『おれが今まで読んだ中でも
れいせいに見てとてもいい作品だった。芸能人
が書いたとは思えない。ここのレビュアー
が読みもせずに変なことを言っているがそ
んな事は気にせずに頑張るん
だ。水嶋ヒロ。次回作も絶対読
むと思う。
だから早く次回作を出してほしい。
もちろん縦読み[縦読みとは、各行の最初の文字を縦に読むこと]』
アマゾンもそれに悪乗りして、この“レビュー”を高く評価するのである。
『43人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。』
縦読みで「かみがむだなんだ」にしなかったのは武士の情けか。