2010-12-23 昨日できた昔からのしきたり
少なくないのである。しかも往々にしてその始まりは馬鹿馬鹿しいものであることが多い。
12月といえば、何かと忙しい月なのに、よりによってそんなときに年賀状を書くことが
しきたりとなっている。忘年会と称する飲み会が続くとそんなもの書いている暇がないのに。
賀状なら新年が明けてから気持を新たにして清新な気持で書くのが当たり前だろう。
それなのに、雑誌の新年号じゃありまいし、それを元旦に届けようということで、
年末に嘘の挨拶を書きつらねるのである。「明けましておめでとうございます」と。
まだ年は明けていないのである。元はといえば、郵政省の、いや逓信省の奸計なのである。
おっ、日本人はこと年賀状に関しては未来の時制を持っているではないか。
そんな、新年嘘つきはじめのしきたりも、昔からあったのかといえばそうではない。
年賀状というのは、郵便制度が出来てからのしきたりなのである。せいぜい百年余である。
年賀状で「新年明けましておめでとう」と書いてはいけないという。
それは馬から落馬なのだという。「正月元旦」もそれだということはよく知られているが。
目上の人に「明けましておめでとうございます」と書くのは駄目なのだという。
「謹賀新年」と書くものだという。しきたりは厳しいのである。しきたりとは暗黙の強制だ。
お正月にお酒を呑むしきたりも最近始まったものだったりして。それは楽しい強制であるが。