人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2010-12-31 駄洒落の神様

1号室、2号室、3号室、5号室、6号室、7号室、8号室、10号室と呼ぶ業界がある。
4と9は、死と苦に通じるから縁起が悪いので忌避するというのである。駄洒落である。
それじゃ、なんのための数字なのか意味がなくなってしまう。
それをやったら、5と聞いても、それが4番目なのか、5番目なのか判らないではないか。

日本語の神髄は、実は駄洒落にあるということなのである。駄洒落が実用に優先するのだ。
駄洒落を使いこなせるようになることがいっぱしの日本人なのである。
西洋ではそれと似たようなことをユーモア(残酷)と呼んでいるが、
日本では諧謔〈じぎゃく〉という。諧謔的に難しい(繁画)漢字を使っていうのである。

日本人は無宗教だというインテリ〈けいはくもの〉がいるが、そんなのは嘘である。
お正月にはちゃんとお正月飾りをして年神様を迎えるのである。
それをしない人は罰〈ばち〉があたってその年はろくなことがないからである。
神とは嫉妬の代名詞である。逆らう神に祟りなし。嫉妬に逆らう人を馬鹿とも呼ぶのである。

お正月飾りは暮れの29日にしてはいけないという。二重苦を避けるという駄洒落だろう。
しかし今はいいのだという。それは福を呼ぶ日だからという解釈だという。ものは考えよう。
4は仕合わせのシ、9〈ここのつ〉は幸福のコである。病の時は確かにそれが欠けている。
一升とは一生の付き合いという意味なのか、と一笑に付して「むの字屋」は本年を納めたい。

-----

余韻
「むの字屋」は酒が呑めない庵主でも呑めるうまいお酒を求めるために開いた求道の庵である。
結論はすでに出ている。うまいお酒とは何かというと、それは本物のお酒のことなのである。
本物のお酒とは真っ当なお酒のことである。委細はすでに書いた通りである。

その見分け方を会得したので、いま庵主が呑んでいるのはうまいお酒ばかりである。
世の中には永遠に到達しない目標を掲げる暢気〈りんね〉な人もいるが、
庵主はせっかちなので現世での美禄を求めたのである。生きるとは命を継ぐことである。
うまいお酒とは酒の命がうまいのである。うまいとは自分の命に叶うということなのである。

by munojiya | 2010-12-31 00:03 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya