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2011-05-25 酒を一杯、水二杯

スタイルというのはその人のやり方のことである。それを「恰好」と訳すこともある。
庵主のスタイルは自分の好きなことしかしないことだから、使い物にならないのである。
よくいえば、その人の癖のことである。その癖のことを個性という。
個性を磨くというのは実はみっともないことなのである。

個性を磨く教育なんぞ碌でもないのはそれ故である。
その癖が好みに合う人にはたまらない魅力だろうが、そうでない人からは毛嫌いされる。
何十年も前に呑んだ芋焼酎がそうだった。
当時、芋焼酎はうまいという本に書いてあることを真に受けて買ってきたのである。

その頃の庵主には、それは全然呑めなかったのである。
癖のある臭いに辟易して、翌日瓶の中身を流してしまった。これは呑めない、と。
しかし、いまは、逆である。焼酎は芋に限るのである。
その香りがないと寂しいのである。香りのない焼酎はかえって寂しいのである。

スタイルという外来語を使うのもなんだから、庵主はそれを流儀と呼んでいる。
庵主の流儀はこうである。お酒は三杯まで、締めて一合である。それで十分。
グラス一杯に、たっぷりの水をもらうのである。そうしないと酔いの周りが早いから。
正しくは、そうしないと間がもたないから。実に経済的な呑み方をしているのである。
by munojiya | 2011-05-25 13:29 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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