2011-05-27 アル添酒を笑う
実は、チゲという言葉自体が鍋という意味なので、チゲ鍋というと「鍋鍋」という意味になる
という。「馬から落馬」なのである。
そういう言葉は少なくない。
写真用語に「EV値」という言葉がある。露出値という意味である。
で、EVというのがエクスポージャーバリューだからそれだけで露出値ということなのに、
EV値というと「露出値値」となってしまう。
サハラ砂漠も、サハラが沙漠のことだから、「沙漠砂漠」になってしまうという。
日本語としてはなんとなく物足りないので語調を整えるために補足した言葉なのだろう。
馬から落馬では「いまだ未熟」がそれだと渡部亮次郎氏が教えてくれた。気がつかなかった。
庵主が引っかかるのが「今の現状」である。現在の状況は今にきまっているのじゃないのか。
それとも「現状」というのは「現場の状況」ということなのか。それなら今の現状でも可だが。
「アル添酒」というのはどうだろう。
お酒はアルコールなのだから、それにアルコールを加えたら「馬から落馬」じゃないのか。
「アル添酒」と言ったら「アルコール入りアルコール」になってしまわないか、である。
これから「アル添酒」は、かっこよく「ブレンデッドサケ」とでも呼ぶことにしようか。
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今はハーフと呼ぶのだったか、混血児を昔はアイノコと呼んでいた。
「血が汚〈けが〉れる」という忌避の感情表現なのだろうか。その感情を差別と呼ぶ人もいる。
「アル添酒」はそのハーフなのである。実は国産の米と輸入アルコールとのアイノコなのだ。
アル添酒に偏見を持つ人の感情の源泉は、アイノコに対するそれなのかもしれない。