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「うまい」について

純米酒の実態について書く前に
確認しておくことがある。
「うまい」酒とはどういう酒かということである。
庵主はうまいと書くときに、カギカッコをつけて「うまい」と書く。

この「うまい」という意味は
あくまでも庵主がうまいと感じる味わいであるということである。
庵主が「うまい」と書いたお酒を呑んでみて
俺にはちっともうまくないぞといわれても困る。

庵主が日本酒を呑むのは
アルコールがほしいからではない。
それが「うまい」からにほかならない。
そして「うまい」お酒を呑んでいると気分がいいからである。

お酒も酔いがまわらなければいくらでも呑めるのに、
と庵主が冗談をいうと
長老は
酔っぱらうからうまいんだよと庵主を窘(たしな)めるのである。

庵主は
体質的に少量しかお酒を呑めないので
だらだら呑みつづけたときにうまさが身にしみてくるというお酒はダメである。
最初の一杯から「うまい」とわかる酒ではなくてはならない。

庵主にとってどういうお酒が「うまい」と感じるかというと
まず、あまい酒である。
日本酒には甘口と辛口という言葉があって
いまは辛口の酒が好まれるというが、そこでいう甘口のことではない。

日本酒の辛口と甘口とは
日本酒度のプラスとマイナスで表される指標であって
実際にそのお酒を呑んだときの
印象とは必ずしも一致しないのである。

辛口の酒なのにあまいと感じるお酒がある。
お酒のあまさというのは糖分の量のほかに酸の寡多も関係してくるからである。
だから甘口の酒なのに
それほど甘いと感じない場合もあるから呑んでみないとわからないのである。

庵主が好むあまい酒というのは
辛口であって口に含んだときに
あまく感じるお酒である。
酒質がまろやかな酒がそれである。

庵主が「うまい」と感じる第二の条件は
アルコールの度数が少し高い酒である。
標準とされる15度のお酒だとなんとなく薄いと感じてしまう。
度数が17度以上になると反射的に「うまい」と感じてしまうのである。

そして酸味がきれいなお酒である。
酒の酸味は日本酒のみならず「うまい」酒の隠し味なのである。
ウイスキーやビールなどでもそれがうまい酒なら
庵主は飲むことができる。

庵主が「うまい」と感じる日本酒は
その味わいの基準が
ある程度できあがっている。
その条件に当てはまるお酒が「うまい」酒なのである。

庵主が「うまい」と感じるお酒は
質の高いお酒であることが多い。
造りの手を抜いたお酒では満たされないのである。
だから庵主が「うまい」と感じるお酒の水準は一般的に高いということなのである。
by munojiya | 2005-07-28 23:21 | うまいお酒あります | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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