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ほんとうの地酒はここにある

最初にあやまっちゃいます。
贔屓の引き倒しです。
でも、庵主の
一番好きなお酒なんです。

好きに、他人からとやかく言われる理由はない。
惚れてしまえばあばたもえくぼなのである。
秋田の「福乃友」が醸している
純米吟醸「冬樹」の生酒のことである。

米は、地元産のキヨニシキというご飯用の米である。
純米吟醸酒だから舶来アルコールの添加はない。
水は、酒造りには好都合な鉄分が少ない雄物川の伏流水である。
杜氏は、山内杜氏鶴田惣太郎である。

ほんとうの地酒はどこにあるの答の一つがここにある。
思うに、
なんでも地元のもので造ったから地酒というものではない。
その風土に依っているうまいお酒が地酒なのである。

そのうまいお酒に造り手の気持が感じられればいい。
もっともお酒を呑んでそこに造り手の気持がわかるわけがない。
ただ一つたしかなことは
そういうお酒はまちがいなくうまいということである。

うまいに、あれこれご託を並べる必要はない。
呑めばわかるからである。
そのうまいという一事(いちじ)が地酒のすべてである。
大手メーカーの酒の真似をした酒まで地酒と呼ぶまでもないだろう。

大手メーカーが大量に造っている日本酒というのは
うまい酒をめざして造っているお酒ではない。
庵主が呑んでいる地酒が高級乗用車だとしたら
大手の酒は軍用トラックのようなものである。

乗り心地を比べても意味がない。
軍用トラックのような実用的なお酒を
まともな日本酒だと思われても困るのである。
どっちがいいお酒であるかは目的が違うから比べることはできない。

座席に使う生地の素材がちょっと違うだけで
全然乗り心地が変わってくるといった楽しむために乗る乗用車と違って、
丈夫が第一の軍用トラックの座席に
高級なめし革を使えというのは用に反するのである。

ただ残念なことは
日本酒の世界においては平和日本にあっても
軍用トラックの生産台数のほうが
乗用車よりずっと多いという戦時体制が敷かれているということなのである。

平和は戦時と戦時の合間だという見方がある。
それが間違った見方であったとしても
明日をも知れない日常生活において保険をかけておくような堅実な考え方だから
違っていても悪い方にはころばないのでだれも文句はいわない。

しかしである。
明日は戦時かもしれないから
それに備えて今はまずい酒を我慢して呑んでおこうという考え方は
生活の幅がせまいと庵主は思う。

戦時になったら
しかたがないからまずい酒でも呑むのである。
平時になればまたうまい酒が呑めるという夢があるからである。
その夢を奪うようなお酒造りを庵主はよろしいとは思わないのである。
by munojiya | 2005-08-08 00:27 | うまいお酒あります | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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