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2011-12-11 哀れ、布教の人

庵主は、「うまいお酒を呑もうよ」という慫慂を「布教」と称しているが、
それを他人に押しつけようとは思わないのである。
なんたって、それはアルコールという猛毒なのである。いや、劇薬と言い換えておこう。
それを大量に、かつ、短時間で飲んでそのまま死んでしまう人〈ばか〉も少なからずいる。

だから、「世の中には本当にうまいお酒がある」という真実を語るに当たっては、
まず、「アルコールというのは毒ですからね」と念を押すのである。
しかし、飲んでいるうちにそんなことなどすっかり忘れてしまうようになっている。
お酒は百薬の長、憂いを払う玉箒〈たまははき〉だということになってしまうのである。

アルコールは、肉体だけでなく、心までゆがめてしまうようである。
庵主の「布教」には、庵主にとって利があるのである。
うまいお酒を知ってそれを求める人が多くなると、造り手はそういうお酒を造るようになる
から、回り回って庵主はいつでもどこでもうまいお酒が呑めるようになるというわけである。

しかし、布教に励んでいる宗教の信者〈ばいにん〉には何の利益があるのだろうか。
宗教を売り歩く時間があったら、それを自分の宗教生活に使ったほうがいいのではないのか。
しかもその売り物は劇薬である。それがあれば平気で異教徒を殺すことも出来る猛毒である。
そんな危ないものは庵主には必要ない。お酒を和酒とも呼ぶがそれは和やかな酒なのである。
by munojiya | 2011-12-11 00:22 | 酒の肴 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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