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2011-12-29 「紀土/純米・山田錦低精米八十%」

そのお酒の本名は長い。はっきりいって庵主には覚えられなかったのである。
「紀土/純米・あがらの田で育てた山田錦低精米八十%」である。あとからネットで確認した
「紀土」は和歌山のお酒で、最近めきめきその人気が高まっている。出合ったら呑め、である。
「紀土」は「きっど」と読む。「KID」である。

和歌山産の山田錦で醸した低精米八十%のお酒である。
その何が凄いのかというと、精米歩合が80%というところである。
普通のお酒の精米歩合は70%以下である。
精米歩合が60%以下なら吟醸酒、50%以下なら大吟醸酒と名乗ることができる。

精米歩合は、お酒の品質の善し悪しの基準になっているのである。
磨けば磨くほど(精米歩合の数字が小さいほど)いいお酒だということである。
なのに、このお酒は、米は山田錦とはいえ、それを80%しか磨いていないのである。
数字〈スベック〉だけを見れば、安い、かつそれほどうまくないはずのお酒なのである。

原料米の山田錦も兵庫山田ではなく、地元山田と呼ばれる格下の山田錦である。
そんなお酒が呑めるのか。酒造りからすれば酔狂〈じゃどう〉としかいえないお酒なのである。
さあ、呑んでみよう。ーん、呑めるのである。期待するほど、いや逆だ、危惧するほどには
悪くはないのである。次のうまいお酒に向けて最初の一杯として呑むにはぴったりである。
by munojiya | 2011-12-29 01:27 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

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