人気ブログランキング | 話題のタグを見る

2012-01-02 「龍力/親龍蔵 蔵出し新酒 特別本醸造」

庵主のお正月のお酒は「龍力/親龍蔵 蔵出し新酒 特別本醸造酒 五百万石 生酒」である。
このお酒は「精米歩合65%の大吟醸」だと蔵元が自信をもって言い切ったお酒である。
きりっと冷えた厳寒の春に、その封を切る。
そして、「獺祭」から貰った平べったい盃にお酒をそそぐ。

新年のご挨拶を年神様に捧げてから、おもむろに口をつける。
すっとはいる。さらりとはいる。
その感懐。
ヤバイ、まずい、いやうまい、そしてインパクト(お酒を呑んだという実感)がある。

「まずい」は、「不味い」ではなく、予想に反しているという意味でのまずい(不覚)である。
何だ、このうまさは。意表をつかれて動転してしまった。いや、笑いがこみあげてきた。
騙された、と。騙されることがこんなに楽しいものなのかと。欺と騙は違うのである。騙は善。
試飲売場で口にした時にはこんなにうまい出来だとは思わなかったのである。

深い。味が深い。生酒なので、まだ炭酸味が残っている。酸味に不足はない。否、うまい。
アル添で、度数19度のお酒である。それが気持ちよく体にはいるのである。
添加したアルコールは自蔵で造ったという。米粉から造ったという。なるほど造りは大吟醸。
すい、すい、すいと三盃いっちゃう。こりゃお正月の三か日もたないかと心配になってくる。

-----
                                        
「欺」は信に背〈はい〉してだまされること。「騙」は相手を信じて気持ちよくだまされること。

by munojiya | 2012-01-02 00:41 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya