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2012-02-22 日本人には「未来」はないという説

「未来」とは、これから先に起こることと考えている人がいるのである。
たしかに、「現在・過去・未来」というのは歌の文句にもあるから、それがあると考える人も
いることは分かるのである。時は流れるという発想である。で、その人はいつ生きているのか。
それでよく見たら、日本語には時制がないから日本人には「未来」はないということになる。

昔流行ったのは日本語では戦争ができないという説である。
日本語を使っていたのでは戦争をやっても勝てないという説だったか。
さらにその昔には、日本語を使っていたのでは世界に太刀打ちできないという説もあった。
日本人はフランス語を使おうという説だったか。森有礼〈もり・ありもり〉である。

戦後は、漢字を使っていたのでは日本に未来はないという説もあった。
日本語の表記はローマ字にしようといったのは志賀直哉〈しが・なおや〉だったか。(脚注)
自らの存在を否定する人達はいつの時代にでもいたのである。
今は、グローバリズムという発想が流行っている。その人はどこで生きているのか、である。

過去というのは、現在の集積の結果である。現在のない人に過去は存在しないのである。
未来も同様にその現在の結果である。現在のない人に未来形はない。即ち、現在を語ることが
出来れば過去形だの未来形といった形式はなくてもいい。現在を重ねればすむことだから。
酒呑みには過去形も未来形も必要がない。酔っぱらうことは常に現在〈いま〉なのだから。

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韓国は漢字を捨ててハングルだけにしたらあの態である。文字を変えても人は変わらない。
日本語には時制がないという説は新たな開国論なのである。庵主は鎖国で十分と思っている。
世界は英米が中心だから日本語を使っていたのでは役に立たないというあせりのことである。
お酒は美味い不味いがあるから面白いのだ。世界が一色なったらつまらないではないか。

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二葉亭四迷=くたばってしまえ。
久生十蘭=(ろくに)くうとらん。
ならば、志賀直哉は、しょうがないや、でいいのかな。
その人が言っていることだから、しょうもないのである。

by munojiya | 2012-02-22 00:32 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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