2012-03-08 「麦のごちそう」
新ジャンルと呼ばれるビールテイスト飲料の新製品である。
「新ジャンル」というのは、形容詞であって名詞ではないだろう。新ジャンルの何なのだ。
その商品群にはまだ普通名詞がないのである。これからは猫ビールとでも呼ぶことにするか。
「我が輩は猫である。名前はまだない」である。
さっそく、その猫ビールの新製品「麦のごちそう」を味わってみる。
新ジャンルには、このところ「麦とホップ」「一番麦」と庵主好みの味にマイナーチェンジ
された新製品が続いているので、この「麦のごちそう」にも新傾向を期待したのである。
キリンは別に麦芽を使わない「のどごし生」を造っている。それがよく売れているのである。
「のどごし生」は、庵主は何度飲んでもそのよさが分からないが、売れているということは
多くの飲み手のツボを心得ているのだろう。そのキリンの新新ジャンルなのである。
で、「麦のごちそう」を飲んでみるに、ビールみたいなのである。よくできている。
ただし、缶を開けたら、早々に飲みきってしまうことである。
間〈ま〉をおくと、醸造アルコールの薄っぺらさが出てくるのである。
そうなると映画のセットの裏を覗いたような白々さを味わうことになってしまうからである。
セットの表側だけを見てロマンを感じているうちに飲み終えてしまうのが飲み方のコツである。