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2012-04-13 「道灌/やまぶき」をもう一杯

「道灌/やまぶき」は甘口のお酒である。
今は、日本酒度が+4前後のお酒が多い中で、マイナスのお酒なのである。
しかも-6とあるから、世間の流行とは丁度正反対のところにあるお酒である。
庵主が、滋賀のお酒が好きだというのも、そこに甘さを感じるからなのである。

といっても、滋賀のお酒は-のお酒が多いというわけではない。
呑んだ時の印象が、甘いのである。この場合の甘いは味覚の甘さではなくて、
そのお酒から伝わって来る印象が甘いという多分に気分的なものなのかもしれない。
人は、お酒を先入観で味わうものだから、庵主にとって滋賀のお酒は甘いお酒なのである。

庵主は、甘いお酒が好きだから滋賀のお酒は心情的に好きなのである。
その「道灌/やまぶき」であるが、それほど濃くはないものの本当に山吹色をしていた。
というのも1年間酒販店の棚にあったものだからである。
製造年月は「2010.11」とあるから、1年と3か月間眠っていたお酒である。

甘口のお酒だというから、静かに老ねが進んでいたものだろうと思われる。
多分それに「日光臭」が絡んでいるのではないかと思われるが、庵主に日光臭は判らない。
しかしその結果、存外うまいお酒になっていたのである。果実は腐る一歩前がうまいという。
お酒も老ねと分かる寸前の際どい時の不確かな味わいがうまいと錯覚する時分があるのである。
by munojiya | 2012-04-13 00:06 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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