2012-06-29 ピートの香り 対 樽の香り
昼間っから酒が飲めるのである。
もちろん、試飲だから、1杯が15MLなので、そこで酔っぱらうことはできないが、
とりあえず、“ガソリン”を入れることはできるということである。味見には十分である。
寄席の末広亭に贔屓の芸人が出るので、入場料金が割引になる午後7時までちょっと空いた
時間を潰すためにそこでウイスキーを2杯試飲してみた。
一つはサントリーの甲州蒸留所の「シングルカスク1999」である。
もう一つはイチローのブレンデッド「一期一会」の20年物である。
適当に選んだ2本だったが、対照的な味わいで楽しかった。
サントリーのは、ピートの香りが綺麗だった。ピートの香りに庵主は透明感を感じる。
イチローのは、ピートの香りよりも樽の香りがしっかり前に出てくる味わいだった。
ラジオの音楽番組で、ベートーベンの交響曲「運命」を聞き比べるものがあった。
カラヤンの「運命」はいうなればピートの効いた音であり、フルトベングラーのそれは
樽の香りが感じられる音だった。モダンと熟成の対比である。
ちょうど今日の2本のウイスキーの味わいがそれに似ていたのである。
庵主は、香りは甘い方が好きだが、味はピートが効いているウイスキーの方が好きなのである。