2012-07-21 ネパールのラム酒「ククリ」
さいわいなことに、庵主にはその筆力がないのである。
ということは、徒〈いたずら〉にラム酒に誘〈いざな〉うことがないということである。
サントリーのウイスキーに「オールド」というのがある。
全盛期は、売れすぎて、それを造るための原酒が追いつかなくなって相当苦労して
数を造っていたようである。当然その頃の「オールド」は味が落ちてしまったのである。
最近試しに呑んでみた「オールド」は、原酒がしっかりしてきたせいか、存外うまかった。
どんな酒でも売れすぎると味が落ちるということである。
ラム酒を飲む人が少なければ、うまいラム酒が市場に十分流通しているということである。
いつでも、飲みたいラム酒が飲めるというわけである。しかも、うまいラム酒が。
だから、ラム酒に関しては、お酒と違って、今の状況でいいのである。
そのうまさを知る飲み手を増やしても庵主にとって利益がないからである。
「ククリラム」というラム酒がある。
ラム酒といえば、中南米が主産地であるが、これはネパール産のラム酒である。
それが、43度にも関わらず、ストレートで飲んでもすぅーと入るラム酒なのである。
「正雪」の純米酒を呑んだ時に、一合の酒がすぅーと入ってしまったようにである。
-----
『英サンデー・ミラー紙によると、映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズの
大ブームのおかげで、英国ではラムが飛ぶように売れ、バーでもモヒート、ピニャ・コラーダ、
マイタイ、キューバ・リブレといったラムベースのカクテルが好んで飲まれ、ダーク・ラムの
消費量は前年比31%増という数字を叩き出したという。』(ウィキ)。海賊の酒である。