人気ブログランキング | 話題のタグを見る

柿の葉すし

五條たなかの柿の葉すしである。
「五條楽」(ごじょうらく)と名づけられた小箱の中には
小振りの長方形に整えられた鮨が6貫はいっている。
一つ一つが透明紙に包まれているパッケージは見た目に美しい。

合わせるお酒は奈良の「山鶴」(やまつる)である。
400石を醸すという。
今年から(17BY)から本醸造を全廃して
すべて純米酒にするという。

とはいえ
「山鶴」の本醸造のファンもいるというので
今年は
純米酒に去年の本醸造をまぜて出荷するという。

純米酒が本来の日本酒だということで
全量純米酒化は美談ではあるが
本醸造に馴染んでいる呑み手には
いい迷惑なのである。

庵主の場合でいうと
国産ビールがエビスビールとかモルツばっかりになってしまったら
はっきりいって口に合わない。
すっきり冷えているうまい米糠ビール(庵主用語)を一口だけ飲みたいのである。

だから本醸造酒を呑みたいという気持がよくわかる。
それに本醸造のほうが値段が安いというのも魅力である。
庵主が使っているプリンターはキヤノンである。
その純正インクが高い。

安いというだけの理由で
サンワの補充インクを使っている。
純正はいいということは分かるが
なにもそこまで贅沢をしなくてもいい思っているからである。

本醸造でいいという呑み手の姿勢は正しいのである。
三増酒のような甘いお酒でないと受け付けないという世代の話を読んだことがある。
食い物、飲み物は好みだからこればっかりはどうしょうもない。
ただ、まずい酒ばかりではたまらないから、うまいお酒も造れというのである。

「山鶴」の平均精米歩合は50%を切っているという。
大吟醸、吟醸が主体なのである。
きれいなお酒を醸している。
大和は古(いにしえ)の地であるが「山鶴」の味わいはモダンである。

庵主は
生肉、生魚、生野菜は好んでは食べない。
すしは生魚である。
その生臭さがくせものなのである。

もちろん好きな人にはそれは生臭さではなく
魚の旨味ということになる。
老ね香をそれが好もしいと思ったときには
熟成香というようなものである。

その生臭さを
日本酒はきれいに包んでくれる。
生臭さが甘さに変わる瞬間である。
またお酒も肴のうまみを得て味がまろやかになるのがわかる。

残ったすしをあとからビールで食べてみたが
すしもビールもまずくなっただけだった。
その昔、鮨屋にウイスキーを売り込んだ酒造会社があったが
鮨とウイスキーは相性がよかったのだろうか。そのセンスに感心するのである。
by munojiya | 2005-09-04 00:43 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya