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2012-10-27 「鷹勇」曽田宏

いろいろとうまいお酒を呑んだ後にでも、やっぱり締めに呑みたくなるお酒がある。
最後にそのお酒を呑みたくなるのである。
どんなうまいお酒よりも、どんな高いお酒よりも、そのお酒を呑むとほっとするのである。
それを呑んでやっとお酒を呑んだという満足感にひたれるというわけである。

「鷹勇〈たかいさみ〉」である。
庵主にとっては、締めはやっぱり「鷹勇」なのである。
儀式としての「鷹勇」である。お酒はやっぱりこれでなけりゃ、と独り納得するのである。
と、いってもいつも「鷹勇」を呑んでいるわけではない。

どこにも置いてあるお酒ではないから、いつもそれが最後に呑めるというものではない。
庵主には、最後に呑むお酒が残っているという安心感が「鷹勇」なのである。
「鷹勇」に坂本俊〈さかもと・とし〉という杜氏がいる。いつ掲載したのか判らない記事
そのお酒造りの姿勢に惚れてしまったのである。お酒はそれでいいと共感したのである。

しばらく「鷹勇」を呑んでいない。突然呑みたくなったのである。どこで売っているのか。
たしか、有楽町の交通会館の中にある「むらからまちから館」にはあったと思う。
絵を見るために銀座に出た際に立ち寄ってみた。あったのは曽田宏杜氏の「鷹勇」だった。
果たして「鷹勇」、庵主の期待に応えてくれるものか、こわごわ手にとったのである。

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何年か前に、たまたま庵主が知人と一緒に訪れたお店にその「鷹勇」があった。
その夜は、ためらわず、締めはそれと心に決めてお酒を呑んだのである。
勿論そのお店にあるお酒だから「鷹勇」も格式の高いお酒なのでうまいのは当たり前であるが
知人も「鷹勇」の味わいについては庵主の思いに共鳴してくれたものである。

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現在相談役を務める坂本俊は平田市出身の出雲杜氏。十七歳の時、大谷酒造に醗師として
入社し、二十八歳で杜氏となって以来辛口の酒にこだわり続け、「鷹勇」の味をひたすら
守り通してきました。
(中略)平成19年に「現代の名工」である曽田宏に杜氏を禅譲し、
平成22年に坂本相談役の内弟子である奥村豊が新杜氏に就任しています。
』(大谷酒造HP)。

by munojiya | 2012-10-27 00:38 | 酩酊篇 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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