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2013-04-24 それは逆 学歴無用論

「学歴無用論」というのがある。
それを、学歴は無用だ、と読んで、勉強はしなくてもいいと思った人がいるという。
ソニー創業者の井深大の「学歴無用論」が大ベストセラーになったことがあった。
その時の話だという。井深大には、あえて「おやじさん」とルビを振っておこう。

ソニーの入社試験を受ける学生の中に、ソニーは学歴無用論の会社なので私は成績は悪いが
構わないでしょうというものが多くいて困っている。学歴は無用だが、学力は重要である。

典拠読者の声2)。
学歴は、世間向けには必要なのだろうが、学力は、自分のために必要だということである。

他人のために勉強するわけじゃないからである。まず、字が読めないと本が読めない。
本を読んでも、書かないと、どんどん忘れていくのである。書かないと身につかない。
よくある浩瀚な蔵書というのは、その人が内容を忘れた本の山だということである。
それは勉強の証〈あかし〉ではなく、忘却量の証なのである。

「本」と書いて、「むなしい」とも読むのである。読んだあとに何も残らないからである。
お酒も、本を読んだだけでは身につかない。現物を呑んでみることである。命と引き換えに。
お酒は体で覚えるものなのである。そして忘れるのであるが。人は忘れる動物である。
運がよければ、うまいお酒に出合えるのである。人徳ならぬ、酒徳があればである。

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井深大の名言に、『社会をリードしていく人間の、基本的能力とは何か。
それが「人徳」であると私は思います。
』というのがあるという。
人徳は他人〈ひと〉に施す徳だが、酒徳は自分が受け取る徳である。
酒徳だけしかない庵主は、どうやら片輪なのかもしれないと気づきつつあるところである。

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「本」という字はおかしな字である。
「本」と書いた看板は書店のことだが、「本店」と書いたら本屋のことではないのである。
一つの漢字にはいくつかの意味があるということである。
いや逆か。

見た目は異なる事象の共通点をその漢字が教えてくれるということなのかもしれない。
「本」を「むなしい」と読むことで「本醸造酒」の「本」の意味が見えてきたのである。
それを「“本”醸造」と言っても間違いではないということが分かったのである。
日本の本がその意味でないことを祈るだけである。その「本」は「生きる」と読むのだろう。

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「生」は「いきる」と読む。「本」の「いきる」との違いはなにか。
生は生きている状態をいう「いきる」である。
本は生きている心境をいう「いきる」である。
楽しい・悲しい、うまい・まずい、が「本〈いきる〉」である。

by munojiya | 2013-04-24 00:01 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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