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2014-05-22 うまいお酒は向こうからやってくるものだ

うまいお酒と出合える人とそうでない人とがいる。
呑んでいるお酒が日常的にうまいお酒ばかりの人と、普段呑んでいるお酒が大しておいしく
ないお酒なのに、それをお酒だと思っている人がいるということである。
お酒は呑んで酔っぱらえるものなら何でもいいと割り切っているならどうでもいいのである。

そう割り切れるのは酒が呑める人の特権である。
庵主のように量が呑めないとそういう呑み方ができないのである。
一杯の、しかも三勺〈さんせき〉ていどの量で楽しめるお酒でないと駄目だからである。
呑むほどに、酔いを重ねていくうちに、そのお酒のよさが分かってくるという酒は呑めない。

その境地に辿り着く前に、体が、アルコールを拒絶してしまうからである。
体がもう限界だといったら、それ以上は呑めなくのである。
美人同様、うまいお酒は数が少ないのだが、そういうお酒と容易にめぐり合える人がいるのだ。
庵主のことである。なぜかうまいお酒に好かれてしまう事を酒徳〈しゅとく〉と呼んでいる。

庵主は、ありがたいことに酒徳に恵まれているのである。
うまいお酒は、さがすまでもなく、なぜかお酒の方から庵主のところにやってくるのである。
今度はうまい映画が向こうの方からやってきた。矢口史靖監督の「ハッピーフライト」である
見た人の感想を読むと異常に評判がいいのである。その映画を完全に知らなかったのに。

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もう一本の気になる映画は高橋玄監督の「ポチの告白」である
こっちの映画も、そういう映画があったということすら知らなかっものである。
それが突然庵主の前に現れたれたのである。映画の方からやってきたのである。
この映画は毀誉褒貶であるが、うまいお酒同様作り手の気合がこもっている予感がする。

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ちなみに、「ハッピーフライト」の異常に好意的な評判はアマゾンのサイトで読める。
中には一、二、毀毀貶貶の人もいるが、どんな物でもそういう意見があるからいいのである。
でも、作り手にとってはそういう意見は心にグサッとくるだろうなと思われる。
だから庵主はまずいお酒はだまってやりすごすのである。貶してもうまくはならないから。

航空機版「アポロ13。』(同前米欄。以下も同じ)。
映画ではなく航空関連職業の教材だなぁと言う感じ。』。
『いつも澄ました顔のCA達が、裏ではこんなあまり見たくない女の縄張り争いをしていると
思うととても可笑しいし、この脚本にO.K.だした全日空はなかなか太っ腹でもある。
』。

そう言えば、この映画が出たころからJALよりANAが良いというイメージを持つ人が
増えたような気がするんだけど、気のせいかな。。。
』(同米欄)。なるほど。
肉を切らせて骨を斬るではないが、欠点を晒す事で却って信頼を得るという大人の奸智かも。
ラストはちょっと拍手を贈りたくなりました。』。そういう映画が好きだなぁ。

最高の褒め言葉はこれ。
日本映画を観てて、こんなに日本の役者が上手く役にハマっているなと思える作品そうは
ない。それって要は演出や脚本が素晴らしい、ということでしょ! あと、演出面で言うと、
冒頭から各部署の動きを追っていくところのスムーズなシーンの動きとかたまらないっす。
』。

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おまけ。
本作品は少しも飽きることなく観ることができました。それは、極力安全なフライトに
しよう、ご搭乗頂いたお客様に少しでも喜んで頂けるようでありたい……という共通の目標、
コンセプトが根底にあったからだと思います。

さすがにあの「アポロ13」にはスケールなどの点でとてもかないませんが、コミカルな作品の
仕上げ、それでいて緊張感ある場面も織り込んでとても盛り沢山な楽しい映画だと思います。
』。
それを読んで、ご入場頂いたお客様に少しでも喜んで頂けるようでありたい、という共通の
目標、コンセプトが根底にない映画がつまらない映画の正体なのかと思い至ったものである。

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矢口史靖〈やぐち・しのぶ〉は映画作りが上手だけど何をやっている人なのだろうか。
高橋玄〈たかはし・げん〉は「白蛇伝」の監督の藪下泰司〈やぶした・たいじ〉の孫だという。
「ハッピーフライト」の予告編は、1分28秒と短い。なのに、たったそれだけで十分期待を
膨らませてくれる。見たくなってくる。いい映画の筋は一言でいえるという。予告編も亦。

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ユウツベに「ハッピーフライト」の本篇があった

by munojiya | 2014-05-22 00:04 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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