2014-07-10 地味だが好感の持てるお酒
ある。地味だが好感の持てる映画。』(典拠)。
「地味だが好感の持てる映画」という表現がいい。自分だけが知っているおいしさという感じが。
その逆が「ナイーブな映画」である。
庵主が「いいお酒」と言ったときは、必ずしも「うまいお酒」を意味してはいない。
「うまいお酒」には厳然たる一線〈すいじゅん)があって、その一線を超えたものだけにしか
「うまい」とは書かないからである。
「うまい」お酒とは、逆から言えば、また呑みたくなるお酒のことである。
庵主と肌が合うお酒ということである。
「いいお酒」というのは、呑んで損のないお酒という意味である。
下世話な比喩で言えば「美人」ということである。
「うまい」というのは、その中でも庵主の好みという事である。
「いいお酒」というのは、一般的には、いい原料を使って真っ当に造られているお酒である。
呑んでいてすがすがしいということである。造り手の気合が感じられるお酒である。
必ずしもいい原料ではないのに、おいしいというお酒がある。
そういうお酒を「地味だが好感の持てるお酒」と言いたい。自分だけが分かる楽しみである。