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2015-01-13 知恵者がいる

今の時代に生きている人なら誰もが分かっているのである。
「恵方巻」なる風習は、知恵のある商売人がつい最近デッチあげたデタラメであることを。
しかし、それなのに、時代が下ると、伝統行事になってしまうのである。なってしまう筈だ。
そして、その起源を疑う人はいなくなるのである。疑ってまで世習に逆らうのは面倒臭いから。

世の中にある風習の多くはそんなものだということである。
そんな風習に流されても実害はないからである。ばかばかしいから面白いという一面もある。
恵方巻を広めた人は知恵者である。その理屈に抜かりはないのである。
「恵方巻は幸運を巻き込むという縁起物です」。幸運が嫌いな人はまずいないのである。

「縁が途切れる事がないようにと願って、包丁を入れずにその年の恵方を向いて一本まるまる
食べるのが習わしです」。1本丸ごと買わなければならなくなるのである。
しかも、「ご家族の皆さんがこの一年、健康で幸せに過ごせるようにと願って、一人1本、
ご家族の数だけ用意しましょう」とくる。家族の数だけ買わざるをえなくなるのである。

世の中には商売に長けた知恵者がいるのである。有無をいわさず恵方巻を買わされるのである。
昔、「吟醸酒は冷やして呑むもので、燗をつけるなんてとんでもない」という言い方があった。
そんなものは全然根拠がなかったのである。お酒の欠点がバレないようにとの布石だったのだ。
そういう酒は香りだけのまずい吟醸酒だったのである。知恵者がいたということである。

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そもそも、恵方巻の起源を聞いたら、その卑猥さに好きな人はニヤリとする筈である。
世の中には知らない方が幸せなことが多いという事である。無知は幸せと同義語なのである。
ところで、毎年その方角が変わる恵方はどうやって決めるのだろうか。
庵主はそれさえ知らずに、今年は西南西を向いて恵方巻を食べることだろう。買わされるので。

by munojiya | 2015-01-13 00:04 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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