2015-04-08 さらにその続きの話
しかし、世の中はその絶対矛盾がちゃんと成立するから面白いのである。
人は矛盾を容易に超越してしまうのである。
その証拠に、ちゃんと「矛盾」という言葉が通用しているのである。
「矛盾」という言葉が、薬籠中のものになっていることで分かるのである。
絶対矛盾の具体例が、庵主が財布を買ったら、中に入れるお金がなくなってしまった話である。
百貨店で美しい革の財布をみつけたのである。「美しい」は革と財布にかかるのである。
しかも、その革の色がまた美しいのである。一目ぼれしてしまったのである。
美しいだけあって値段も高かった。しかし、その美しさをほしくなってしまったのである。
他大枚をはたいてその財布を手に入れた。
が、財布を手に入れたら、中にいれるお金がなくなってしまったのである。
一体、財布と何にためにあるのか。こと庵主に関してはその財布は用をなしていないのである。
それなのに、それは美しい財布として存在しているのである。
それを手に入れたら、中に入れるお札がなくなってしまう財布というのは絶対矛盾だろう。
思えばお酒も絶対矛盾なのである。
アルコールという毒を呑むことで身も心もいやされるというのだから。話はさらに続く。