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2015-08-06 これを知ったら鰻が食べられなくなる

バナナは、その作り方を知ったら二度と食べられなくなるという記事を読んだことがある。
作り方というより、作られ方の、なにがそれほど不安をいだかせるのか、詳しいことが書かれ
ていなかったからその理由がわからないのである。食品怪談のネタだったかのもしれないが。
だから、庵主は、今でも平気でバナナを口にすることができる。滅多には食べないけれど。

土用の丑の日にはうなぎを食べるのが習わしになっているが、こういう記事を読んだら、
それを口にすることに躊躇いを感じるようになる人が増えるに違いない。
鰻の稚魚は中国で養殖されているという話である。三島の鰻もその点には曖昧なのである。
バナナを作る現場にもそれと似た話があって、それを聞いて食べられなくなったのだろうか。

二度と飛行機に乗れなくなる映画がこれだという
飛行機内で見ることができる映画には、航空機が事故を起こす話の映画はないのだという。
乗客に不安を抱かせるからという配慮からなのだろう。
この映画は果たして機内で見ることができるだろうか。それが一番スリリングな見方なのに。

これを知ったらお酒が呑めなくなるという話はいっぱいある。
庵主はそれを乗り越えて、今、うまいお酒だけを呑んでいるのである。
ときどき、怖いもの見たさでそうでないお酒も口にするのである。
今、一本、そういうお酒が手元にあるが、この暑さの中では体がそれを欲しないのである。

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いま、庵主の体が、食品怪談みたいなお酒を欲しないというのは、この暑さ(7月31日から
8月5日まで連続猛暑日という新記録更新中)で、体力が落ちているからなのである。
体力がある時は、どんな不味いものでも食べられるが、体力が弱っている時にはそういう贋物
は体が受け付けないのである。栄養にならないことが本能的に判っているからなのだろう。

「人間の死体を食わせて養殖した鰻の稚魚」とか、「髪の毛から作った醤油とか」、「従業員
が唾を吐き付けて漬けたキムチ」といった話を、本当かどうか判らない怖い話ということで、
庵主はそういう話を「食品怪談」と呼ぶのである。
その並びでいうと、「アルコールを混ぜて造ったお酒」も食品怪談になるから笑えるのである。

食品添加物の恐怖を煽るというのも食品怪談の一分野である。醸造アルコールも食添なのだ。
ワインの酸化防止剤として使われている「亜硝酸塩」も有害だという人もいるのである。
「亜硝酸塩」が体によくないという以前に、アルコールが体によくないということに気が
つかないのは迂闊だとは思うけれど。

輸入レモンの防黴剤〈ぼうかびざい〉として使われている「TBZ」や「イマザリル」は猛毒
だという食品怪談もある。もし、それが猛毒だとしたら、それが付着している皮ごとスライス
して使うカクテルなどは毒ごと飲んでいるということになるが、レモンの皮を剥いてスライス
するバーテンダーはいないから、バーテンダーはみんな馬鹿だということになるのだろうか。

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「人甘」と書くと、それを読んだ人が「人工甘味料」と判るかどうか判らなが、庵主は字数を
減らすために「人甘」と書いているのだが、同様に「食添」は「食品添加物」の事である。
食品添加物とはなにかというと、簡単に言えば「普通の家庭の台所にはない材料」のことだと
安部司元食添営業マンは書いている。

普通の家庭の台所に「醸造アルコール」があるか、ということである。
実は甲類焼酎がそれだから、ないこともないのである。ただし、その手の焼酎をガブ飲みする
ようになったら、「廃人」と呼称されて尊敬されるのである。ああはなりたくない、と。
日本酒では、紙パックに入っているお酒を呑む人を、庵主は「達人」と呼んでいるのだが。

「醸造アルコール」もそれが原料だと強弁すれば食添に当たらないと言えないこともないが。
たとえ100年以上も前から長く使われてきている化学合成によらない天然由来のもので
あっても、原材料に由来しないものであれば添加物(既存添加物)として扱うようになった
ことなど、食品添加物の扱われ方は非常に厳しいものがあります。
』(典拠)。

「無添加」を謳って売られている食品は、多分にマーケティングのための印象操作であるもの
が多いという。「健康食品」という言葉があるが、それもそうである。じゃ、それ以外の食品
はどれも不健康食品なのかというと、そうではないのだから。むしろ、「健康食品」と称して
売られている商品は値段が異常に高くて庶民にとって不健康価格を呈していることが多い。

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4、5年ぐらい前に「ビオワイン」がちょっとしたブームになったとき、いくつかのワイン
が「亜硫酸無添加」をうたっていたことをご記憶の方も多いかと思います。「亜硫酸塩を使用
したワインは頭痛の原因になる」という今では科学的根拠がないといわれている話がまこと
しやかに語られ話題となりました。
』(典拠)。

科学的根拠がなくても、それで頭痛になるのだから、人間は厄介なのである。
日本酒でも「混ぜ物酒を呑むと翌日まで残るが、純米酒ならそういうことはない」という、
おそらく科学的根拠がない話が蔓延しているのである。庵主はどんないい純米酒でも、呑み
過ぎたら間違いなく翌日に残るのである。

by munojiya | 2015-08-06 00:03 | 世話物 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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