2015-10-27 「建前」のない国
フィンランドには「建前」がないのだという。
『ノキアと同じフィンランド出身のソンニネンによると、フィンランドには「建前」という
概念はなく、誰もが本音で言いたいことを正直に言う文化が息づいているのだという。
その特徴は数字も証明していて、報道の自由度を測る指標「『Press Freedom
Index」では180ヵ国中、トップランクだ。(ちなみに日本は61位である)』(典拠)。
もっとも、「建前はない」というのが建前なのかもしれないが。
日本はその点、建前だらけである。
お酒の世界でも、アル添酒のことを「本醸造酒」などと呼んじゃっている。
「本醸造」とあったら、それが本来の醸造法で造られたお酒だと思うのが普通である。
本来の日本酒というのは、米と米麹だけで造ったお酒の事である。すなわち純米酒である。
しかし、本醸造酒の実態はアルコールを添加したお酒の事なのである。
それを「混ぜ物酒」とか「増量酒」と呼ばずに「本醸造酒」と呼ぶのは知恵者の発想である。
庵主はそれを、「ほんの冗談で造った酒」だから「ホンジョウゾウ酒」だというのである。
あるいは、「本来のお酒に似せて醸造したそれなりの酒」を略して「本醸造酒」と呼んでいる
のかしもしれない。そういうお酒、本当はリキュールもお酒と呼ぼうという建前なのである。