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元旦に呑むお酒

ボジョレー・ヌーボ(庵主表記)は
その1~2か月前から
盛んに予約取りがはじまる。
いまではスーパー、コンビニでもやっている。

日本酒の新酒はなぜそれをやらないのか。
新酒なんか呑んだってたいしてうまくないからである。
お酒は1~2年ぐらい低温で寝かせて味が落ち着いたものがうまくなる。
ただ新鮮だからで売るというのは呑み手をかついでいることになるからである。

でも
初物って、日本人は好きなのである。
季節の季節の旬を楽しむお祭りだと思えば
それもまたよしである。

さて、日本酒の予約の季節は今頃である。
何を予約するのか。
元旦に呑むお酒を予約するのである。
元旦というのは一月一日の朝という意味である。

だから一月元旦と書くと馬から落馬になる。
馬から落馬というのは
意味が重なっている言葉遣いのことである。
落馬というのは馬から落ちることである。

よって、馬から落馬とは
馬から馬から落ちるという意味になるから
馬がダブってしまう。
この手の言葉はいっぱいある。

話言葉ではそれをやっても気がつかないことが多いが
書き言葉では避けなければならない。
文字として証拠が残るから教養がないことがばれてしまうからである。
たとえば、日本酒の今の現状に不満をもってはいけない。

現状というのは今の状態のことだから
今の現状といったのでは、今の今の状態になってしまうからである。
一番最初にお酒を呑んでもいけない。
最初というはの一番初めのことだから、一番一番初めになってしまう。

馬から落ちることを落馬というが
駱駝から落ちたら、やっぱりラクダというのだろうか。
元旦に呑む新酒は今蔵元に予約するとまだ間に合う。
12月の半ばに搾ったお酒に新春の熨斗をつけて年内に届けてくれる。

中には大晦日搾りの元日届けというお酒もある。
庵主はそれを呑むことにしている。
栃木の酒「開華」の大晦日に搾った純米吟醸(無濾過無加水生原酒)を
元旦に届けてもらう。

お正月にも休むことのないクロネコヤマトに感謝するのである。
と、同時に、命にかかわる商売じゃないんだから正月ぐらいゆっくり休めよと、
お正月という日本の風習を紊乱する商法に国家の品格の低下を見ながらも
おいしいお酒を呑んでいるうちにそんなことはどうでもよくなるのである。

だって、
お酒は、
厳寒のこの時期に休むことなく造ってくれる人がいるから楽しめるのだから。
酒呑みは勝手なものなのである。

元旦搾りというお酒もあるから、
本当に新年のお酒が呑みたかったら
そういうお酒を注文するといい。
いまなら予約が間に合うのである。
by munojiya | 2005-12-13 23:48 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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