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2017-03-04 「ラ・ラ・ランド」は「君の名は。」は同工異曲

日本ではアニメ映画「君の名は。」がやっている事と同じことをやっているのが、アメリカ映画
の「ラ・ラ・ランド」がやっているというのが、「前田亭」と、庵主が呼んでいる前田有一の
「超映画批評」の評論である。
映画の勢いが、プロの評論家の感性をも狂わしてしまったというのである。

そういう狂騒状態を「お祭り」というのである。知性は関係ないのである。
「同じアホなら、踊らにゃ損損」である。
踊った方が、見ているよりも、もっと面白いということである。
「ラ・ラ・ランド」を撮った監督の前作があの「セッション」である。あれは怖い映画だった。

競うということは、頂点の一人に対して、その下に数多くの敗者を作るという怖い映画である。
自分の才能に自信を持っていてそういう世界が好きな人にはたまらない映画なのだろうが、
自分の才能の限界が判っている庵主にとっては見ていて精神的に耐えられない怖い映画だった。
教育とはそれを感じさせないためにやるのである。非才者に対するアフターケアなのである。

勉強中はまだ自分には可能性が残っているぞと思わせて、人が絶望の淵に沈むことがないように
希望を与えるのが教育のやっていることなのである。
アフターケアというよりは、ビフォーケアというべきか。
お酒で宿酔の時に飲むシジミ汁はアフターケア、和らぎ水を飲みながら呑むのがビフォーケア。

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「君の名は。」と同じ現象がアメリカで起こっているというのである。
ツイッターその他で私は本作を平凡と評したが、他の人たちは思っていてもなかなかそれを
言い出す勇気はなかったことだろう。それくらい映画業界における「ラ・ラ・ランド」狂想曲は
凄まじかったし、物言う評論家たちも絶賛の嵐であった。

もっともそうなることは見た瞬間、私はすぐに予想できたし、理由もはっきりとわかった。
結論から言えば、本作はとくにアメリカ在住の中年以上の業界人、ようするにオスカー会員の
ような人たちから確実に「愛してもらえる」要素を、きわめて計算的に盛り込んだ作品という
ことである。』(典拠)。
オタクのツボをついたというのである。

ロサンゼルス、すなわち夢の国を意味するタイトルからして、そうしたコンセプトだと明言
しているのであり、それを完璧に具現化したデイミアン・チャゼルの手腕は見事といえる。』を
「『君の名は。』は、すなわち夢〈あこがれ〉の国〈ひと〉を意味するタイトルからして、そうした
コンセプトだと明言しているのであり、それを完璧に具現化した新海誠の手腕は見事といえる。」

としたら、二つの映画はまったく重なるのである。
それ以降の解説はそのまま「君の名は。」で使っても違和感がないのである。
前作「セッション」のような才気を感じてみたいといった人に全く本作は向いていない。
というところなんか、「君の名は。」とぴったりなのである。

by munojiya | 2017-03-04 00:02 | 番外篇 | Trackback | Comments(0)

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