「のぶたか」は読めるが、苗字の「陽」の方である。
「西表島」という地名がある。
「いりおもてじま」と読むのである。
なぜ「西」を「いり」と読むのか。
太陽は東から昇り、西に沈むからであ。
陽は西に「入る」から「いり」なのだ。駄洒落なのである。
「小鳥遊」という苗字がある。「たかなし」と読む。鷹がいないから小鳥が遊べるというのだ。
さて「陽」さんはなんと読むか。「みなみ」と読むのである。
一字苗字なのでチャイナ人かと思ったら、山口県の人だった。どうやら日本人みたいである。
どうやら、というのは、山口県は長州で、口の悪い人は反長州からか、あれはチョウセン県だと
言う人もいるところで、そういう先入観があると物事が素直に見れなくなるのである。
佐々部清〈ささべ・きよし〉という、庵主が好きな監督がいる。当たりはなくても外れがない。
いいお酒というのは、呑む前に庵主が期待している通りの味わいで応えてくれるお酒である。
期待以下ではなく、期待以上でもなく、まさに期待通りの味わいで、である。
佐々部清監督がそういう監督なのである。「八重子のハミング」という新作を撮ったという。