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強力

強力は「ごうりき」と読みます。
酒造好適米の名前です。
この酒米は鳥取県だけで栽培されている
まさに地酒用の地元米なのです。

強力で造ったお酒はだから鳥取の「千代むすび」なら呑むことができます。
「千代むすび」の「強力」はだから本物の地酒というわけです。
いいお酒を造るときにはいい米が必要ですが、地元でそういう米が
とれないところでも他県から買ってくることができます。

他県産の米を使って、外国産のアルコールを混ぜた造った地お酒を
地酒というのは、詐欺とまではいわないまでも不正表示でしょう。
外国から輸入してきたぶどう果汁で造ったワインをあたかも国産ワインと
装うようなものです。

庵主はどうやって造った酒でもうまけりゃいいと思っています。
舌に自信をもっていますから、
そんな表示なんかどうでもいいのです。毒でさえなければ。
純米酒とアル添酒の区別がつかない絶対の舌なのですから。

強力は「千代むすび」とか、「いなば鶴」とか「日置桜」などの鳥取の
蔵元のお酒で呑むことができます。
庵主が初めて呑んだ強力は「いなば鶴」でした。
これは華やかでした。うまかった。

ある呑み会で「千代むすび」の純米吟醸の「強力おおにごり」を開けたときに
それは起こりました。
これがまだ瓶内醗酵がすすんでいたことから、
一升瓶の口のシールを取っただけで噴水のように吹き出しました。

それを知らない人が開けるとよくあることですが、
その人は知っていたのにガス圧を甘く見ていたのでした。
テーブルの上で開けたお酒は天井まで噴き上がりました。
天井から滴ってくるおおにごりを避けるのが精一杯でした。

一升瓶の中を見るとあっという間に3分の1ぐらいになっていました。
瓶の中でお酒が生きています。
本当は栓に錐で穴を開けるかしてガスを抜いてから栓を取るべきでした。
生きているお酒をおいしくいただいたものです。

「強力 純米吟醸 袋取り しずく酒 生」は「醪を綿袋に入れ、
圧を掛けず自然に落ちるしずく酒を詰めた贅沢な生酒です」。
宣伝文句にからっきし弱い庵主はもうそれを読んだだけで
うまいこと、うまいこと。そして本当にうまいのです。

さらに11BYの「強力」の純米吟醸も呑ませてもらいました。
こういうお酒を呑むことができるから呑み会は楽しいのです。
さらに参加者の一人が、1年前に買って自宅にあった「強力」の
純米吟醸を持ってきてくれました。そのフレッシュなこと。

「千代むすび 完熟純米」は3年古酒です。黄色く色づいています。
古酒は最近流行りはじめているお酒です。
庵主がその手のお酒を初めて呑んだ時は紹興酒のようだと思いました。
とてもうまいと思えるお酒ではありませんでした。

古酒の味わいが長い間嗜まれてきませんでしたから、
そのうまいまずいを評価する言葉が絶えていたのです。
バターとマーガリンを比べても比べられるほうが迷惑なように、
新酒と古酒の味わいはどっちがいいとか悪いとかいうものではありません。

古酒は別の領域のお酒として楽しむべきだと庵主は思っています。
そして、古酒もまたいろいろなお酒を呑んでみることでそのうまさが
わかるようになってきます。というより古酒の世界が広がります。
「完熟純米」はその入門として呑むにはふさわしいお酒でした。
by munojiya | 2005-04-18 20:18 | うまいお酒あります | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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