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新潟のお酒の表示は模範である

淡麗辛口で一世を風靡した新潟のお酒を庵主はちっともうまいと思わないのである。
「越乃寒梅」「八海山」「上善如水」「久保田」といったお酒がである。
うまくないというよりも呑んでもつまらないのである。
もっとも新潟のお酒とはいってもいろいろあるからそれだけではないのだが。

酒質の好みはともかく
その製造年月日の表示や
酒の呑み方についての注意書きの親切さには一目置くのである。
ラベルを見ているとうんうんと頷くのだが呑む気が起こらないのは庵主の好みによる。

製造年月日を表示するなら、
はっきりわかるように表示するのが当たり前だろう。
ところが中にはあるのである。
読めない表示が

その一。ラベルの細かい模様の部分に印字してあるもの。
具体的な例では○○○の「○」である。
印字位置のところの模様が細かくて数字を読めなくしてしまっている。
これはデザイナーが間抜けなのかもしれないが。

その二。おなじくラベルの黒い色の部分に平気で年月日を印字したもの。
具体的な例では「△△△」の大吟醸である。
黒地に黒文字で印字するバカがあるか。
現にあるのである。

その点、新潟のいくつかのお酒の表示のわかりやすさは抜群である。
これが表示というものである。
新潟の人の心遣いを感じるのである。
だからといってそういう人が造ったお酒がうまいとは限らないのであるが。

庵主は
善人が造ったまずい酒より
悪人が造ったうまいお酒の方をとる。
いや逆だ、うまいお酒を造る人が庵主にとっていい人なのである。

「上善」などはその外箱にも分かりやすい表示がある。
はっきり製造年月日05.12.13とわかるから気持ちがいい。
とくに東京で長く暮らしていると
箱をあけてまで中の瓶のラベルを見ることは憚(はばから)れるからである。

だいたい東京の人は
百貨店で値段を負けてと言えないのである。
シャイ(はにかみや)なのである。
大阪の人はそれが平気でできると聞いたことがある。

だから、
念のためお酒の製造年月日を確かめたいと思っても
箱の中から瓶を引っ張り出すのはためらわれるのである。
その点、新潟のお酒は東京の人に買ってもらうという姿勢が明確でいい。

中には、外箱に製造年月日を印字したシールを貼っているところもある。
「いい仕事をしていますね」という言葉はそういう場合にふさわしい。
新潟のお酒は首都圏でよく売られているから
東京人の嗜好と気持ちをよく研究しているのである。

「越乃寒梅」が人気になったときに
その理由を見つけてちゃんと淡麗辛口を提案してきたのは新潟の酒である。
だから、新潟のお酒の傾向は注目しておかなければならない。
そのころ、庵主が唯一呑んでうまいと思ったのは「〆張鶴」だった。

現在の庵主の一押しは「鶴齢」(かくれい)である。
「根知男山」(ねちおとこやま)も好きだ。
「村祐」(むらゆう)もいい、それに「越の華」(こしのはな)の高いお酒も。
だめだ、新潟のうまいお酒が呑みたくなってしまった。
by munojiya | 2006-01-07 23:56 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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