人気ブログランキング | 話題のタグを見る

お酒の外国事情           

「蒲原」(かんばら)の英文ラベルが貼られている外国向けボトル(四合瓶)を見た。
「蒲原」は下越(かえつ)酒造のお酒である。
下越酒造は「麒麟山」(きりんざん)といったほうがわかりやすい。
いまはいろいろな蔵元が輸出に力をいれているということがわかる。

それらの日本酒が外国でどのように受け入れられているのか。
庵主にはよくわからない。
管見するところ
その評価は高いようである。

日本酒業界にサントリー(燦・鳥居家である。異説多数)みたいな
ハッタリのきいた蔵元があれば
おっと、宣伝が上手な会社があれば、
もっとその様子が針小棒大に喧伝されているのだろうがそれがないのが惜しい。

庵主が一番気になるのは
諸外国に輸出されたお酒の温度管理はきちんとなされているのかということである。
日本酒の決め手はその温度管理だからである。
管理のいいお酒を呑んだときのうまさはなんともいえない。

庵主はそれを知っているから
開栓して空気を吸ってしまったお酒が出てくるとさびしい。
もっとも栓をあけた直後の口開けの酒が必ずしもうまいとは限らないから
それを知っているお店に任せて一番おいしい状態のお酒を呑ませてもらうのである。

そのうまさが
外国の日本酒呑みにちゃんと伝わっているだろうかという疑問である。
最近はそういうことはなくなったようだが(未確認)、
ニューヨーク(紐育)あたりでも昔はすごい呑み方をしていようである。

日本酒を超熱燗にして呑んでいたという。
世界で唯一(自称)の温めて呑んでもうまいお酒という特性を生かした
オリエンタル(あえて日本語に訳さない)な呑み方をしていたと聞く。
そうでもしなければ呑めないひどい酒だったのではないかと庵主は邪推している。

現在、
ニューヨークにも
ちゃんとした日本酒を
うまい状態で呑ませてくれるお店が増えたという。

もとはといえば日本食ブーム(開眼とでも訳すか)である。
アメリカでは低所得者にデブ(肥満体。おっとこれは日本語だった)が多いという。
ジャンクフード(これは訳すと怖い)しか食えないので栄養が偏った結果である。
当今、アメリカでは肥満とはたばこ喫(の)みに対しては差別感情が伴うという。

逆にハイソ(金持ちというか、上流社会というか)はスマート(痩身)なのである。
それも逆だ。
スマートなことがハイソの証(あかし)なのである。 
それには体にやさしい日本食がいいということでブームになったというわけである。

その流れで日本酒にもスポットライトが当たったのである。
だからニューヨークの日本酒酒場(内装はモダン)にやってくる客には
金持ちが多いというのがお酒を輸出している蔵元さんの自慢である。
ある寿司屋ではその店の前の駐車場には高級車ばかり停まっていたという。

うまいお酒はちゃんと評価されているという。
日本酒のうまさが外国人(日本語を知らない人)に分かるのだろうかと
庵主は案じていたがそれは思い過ごしだったようである。
輸出にはリーファーコンテナ(低温コンテナ)を使っているのだろう。

同じ醸造酒のワインなどは船底のあまり温度変化のないところに積んでくれば
かならずしも低温コンテナでなくても問題ないと聞いたことがある。
お酒を売るということはそのうまさを売るということなのだから、
一に温度管理、二に温度管理なのである。 
by munojiya | 2006-03-12 12:16 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya