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地酒に代わる言葉

大きく二つに分けるという分類法がある。
違いを把握する方法である。
比べることで違いが分かるということである。
逆に言うと比べないと物事の本質がわからないということである。

人を男と女に分ける。
人を日本人と外国人に分ける。
人を利口と馬鹿分ける。
いまなら、人を金持ちと貧乏人にわけるのが流行っている。

お酒の場合はこうである。
庵主はそれをうまいお酒とそうでないお酒とにわける。
そうでない酒というのはまずい酒ではない。
うまい酒とそれ以外の酒というわけである。

まずい酒というのは
必ずしもうまいお酒の反対語ではないからである。
好きの反対は嫌いでない、という。
では、好きの反対はなんというのか。

関心ない、という。
嫌い、嫌いも好きのうちという都々逸(どどいつ)がある。
つまり好きと嫌いというのは
関心ありという気持ちの高低だというのである。

その伝で
お酒のうまいとまずいは、
気になるお酒の好みの度合いの強弱である。
好感度という物差しにおいて「好き」の反対側にある言葉が「そうでない酒」ということになる。

いい酒と悪い酒という分け方もする。
この場合の悪い酒は明確にいい酒の反対語である。
いい酒とは呑んだときに気合が感じられる酒である。
悪い酒とはそれがない酒で呑んだらかえって疲れる酒である。

いいお酒とは呑んだあとに幸せになれる酒である。
仕合わせな気分といったほうが正確であるが、
呑んだあとに快感が得られる酒のことである。
だからまた呑みたくなるのである。

庵主はそういうお酒ばかり呑んでいるから、
お酒はおいしいものなのである。
まずい酒とか悪い酒にしかめぐり合えない人は
お酒運が悪いとしかいいようがない。

ただ幸いなことに
そういう人にも救いはある。
女運が悪いとか男運が悪いというのとは違って
お酒運が悪いのはたちまち振り払える運だからである。

この「むの字屋」をお読みになることである。
たったそれだけで、ことお酒運に関しては光がさしてくるからである。
なんとなく新興宗教の信者勧誘術みたいになってきたが信じる者は救われるである。
もっとも信じる人は騙されるという言葉もあるが。

お酒をナショナルブランド(NB。全国販売銘柄)と地酒に分けることがある。
地酒はNBよりうまいと言われたことがあるがそういうことはない。
たまたまうまい地酒がNBの普通酒よりうまかったということだけなのである。
地酒にもうまい地酒とそうでない地酒があるという当たり前の事実なのである。

その二つをひとくくりに地酒と呼ぶのが誤解のもとなのである。
ビールにクラフトビールという呼び方があるように、
本当は地酒という言葉とは別にうまい地酒のことを指していう言葉が必要なのである。 
NBの量産酒とは違って造りのしっかりした地元産のお酒をいう言葉がである。
by munojiya | 2006-03-13 23:52 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


by munojiya