美酒
美酒という言葉を使うときはうまいとかまずいとかの味の評価を意識的に除いている。
それは通常は丁寧に造られたことがわかるお酒を讃えていう言葉である。
その酒造りの姿勢が好ましいときにいう言葉である。
だから中身はうまくなくてもパッケージだけはきれいだという場合にも使う言葉である。
どうも、という言葉の使い方に似ているのである。
特に気になるような欠点のないお酒についていうのである。
悪くはないね、といった感じの言葉なのである。
時には褒め言葉が思い浮かばない時にも使うことがあるから
重宝な言葉である。
当たりさわりのない言葉だからこの言葉を考えた人は天才である。
ただし庵主は美酒という言葉をイヤミで使うことはない。
中国語で美国と書いたらアメリカのことである。
だから多少中国語を知っている庵主は美酒と書くと
なんとなくアメリカの酒というイメージをうかべてしまうからあまり使わない。
そうか、アメリカンといえば薄めのことをいうからその手のお酒にも使えるか。