もうまずいお酒を呑むのは面倒くさくなった
庵主は酒量がないから、すなわち一日に摂取できるアルコールの絶対量が少ないから
暑さに耐えかねて一飲みする生ビールだけでその日の酒量が限界になってしまう。
夏はうまい日本酒をキリリと冷やして呑みたいがそこまでたどりつけないのである。
季節に合わせて、また場面に応じてその時々のうまい酒を飲めばいいのだから、
なにも日本酒にこだわることはないのである。
夏は生ビールがうまいのである、体がそれを欲するのだから。
そして飲み疲れたときにはうまい日本酒がいいのである。
そういう時にうまいお酒を呑むと疲れていた体がしゃきっとするのがわかる。
しかし、まずい日本酒を呑むとかえって体がだれてしまう。
以前はどんなお酒でも呑めたのである。
いまはもうまずいお酒は呑むまでもないと思っている。
うまいからお酒というのが庵主の定義である。
うまいお酒が数多くあるときにわざわざまずいお酒を呑むまでもないと知ったのである。
まずいお酒を呑んでそういうお酒を棚から外すのは呑ませ手のお仕事である。
庵主は呑み手だからそうして選んでくれたうまいお酒だけ呑んでいればいいのである。