甘い言葉とあまいお酒
自分の気持ちをくんでくれる言葉であったり、
夢を抱かせてくれる言葉である。
広告の宣伝文句は洗練された後者だろう。
それは真実を隠す言葉の場合がある。
戦争をはじめる時に国民を騙す言葉である、殺し合いの現場が美しいわけがない。
また、甘い言葉はいやなものを見たくないという気持ちであることもある。
見なくてもすむものならそういうものは見なくてもいいのである。
そういうことは問題意識がある人にまかせておけばいいと庵主は思う。
そう思うのも庵主は問題意識というものがわいてこない質だからである。
その日に呑んだお酒がうまいと思ったら今日も健康だったと喜ぶだけである。
うまく回っていることを無理にほじくり返して問題を作ることはないと思うのである。
だから庵主は進歩がない、昔と全然変わらないのである、古いのである。
お酒も米だけで造れるのにわざわざアルコールを混ぜなくてもいいのではないか、
そんなことをしなくてもお酒はできるのだから、と考えてしまうのである。
そしてお酒は甜(あま)いものがうまいのだからそれでいいのだと思っているのである。