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偽生ビールは冗談生ビールと呼ぼう

庵主は平気で偽(にせ)とか似非(えせ)とか紛い物(まがいもの)という言葉を使うが
日本語では、その場合には当たり障りのない言葉に置き換えることになっている。
模造品はイミテーションなどと外来語でぼかしたりする。
そこで、庵主は偽生ビールを、冗談生ビールと呼ぶことにする。

冗談の部分に振りがなをふると、「もどき」といったところである。
よく似ているなぁという、感心にも似た苦笑の妥協のことである。
飲んでも実害がなければとやかくいうまでもないという諦めのことである。
蟹肉風かまぼこを指弾するようなもので益するところがないということである。

日本酒の場合、生酒というのは、火入れ(ひいれ)していない酒のことをいう。
火入れというのはお酒を65度ぐらいのお湯につけて酵母を殺すことである。
酒の中に酵母が生きていると醗酵が進むことがあるから酒質が劣化する場合がある。
醗酵がうまく進めば思ってもいなかったうまい酒になることもあるがその期待は小さい。

酒質の安全を考えると火入れして保存性を高めるというのが普通である。
ビールでも酵母を加熱殺菌するのが普通だが、それをやらないものを生ビールという。
生ビールとは、すなわちビールの中に酵母が残っているものなのである。
「生ビール」は加熱していないから生だという主張は冗談以外の何ものでもないのだ。

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生酒と呼ばれる日本酒には、
本物の生酒と生貯蔵酒と呼ばれるものと生詰と呼ばれる亜流の酒があるが、
ここではもちろん本物の生酒のことをいっている。
生貯蔵酒と生詰酒は通常2度火入れするところを1回だけの火入れにしたものである。

「生ビール」(カッコ付の生ビール)はたしかに火入れはしていないビールなのである。
火入れをしていなから生ビールだとビール大手5社は談合しているが、
その生ビールには酵母が残っていないのである。
フィルターを使って酵母をすっかり取り除いたものだからである。

by munojiya | 2007-05-27 00:04 | Trackback | Comments(0)

うまいお酒があります その楽しみを語ります


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