日本酒は日々うまくなっている
市販するだけの量が造られていないお酒も多く、
この日は、静岡の酒が好きな人たちが集まってそういった貴重なお酒を味わっている。
庵主もうまいお酒なら静岡がいいと推薦している縁からその会に参加して楽しんでいる。
この会は実は呑み手が主催している会である。
静岡のお酒を好む呑み手が各蔵元に呼びかけて美酒を提供してもらっているのである。
会場に並ぶどの酒も個性的なうまさがあって面白いのが静岡のお酒のいいところである。
もっとも出品酒だから物はいいが、好みがあるからどれもがうまいというものではないが。
そういうお酒を味わったときの参加者の共通の感慨は
日本酒はますますうまくなっているということである。
昨日より今日のお酒が、そして今日の酒より明日のお酒の方が確実にうまいのである。
お酒はまっとうに造ればどんどんうまくなるものだということである。
戦後長く世に風靡していた三増酒はうまいお酒を造らせないための酒だったのである。
大工場で造るお酒とか、手造りでも三増酒といった酒はうまいものを造ろうとしても、
造りの制約があるからそれができなかったということなのである。
お酒は食い物だからうまいのが当たり前なのにそうでなかったのが間違いなのである。