し・のう・こう・焼・ラム・カストリ
ナントカとカントカは今は差別用語なので使うなとまでいわれている。
庵主はいまラム酒に心ひかれているのだが、
そのラム酒の地位が、酒の世界では焼(しょう)のさらに下あたりなのである。
焼は焼酎の焼である。
カストリは粕取り焼酎ではなく、メチルアルコール入りのとんでもない酒のことである。
酒というのは飲んでも大丈夫なものをいうから
メチルアルコールがはいった液体は酒とはいわないか。
そこまでいったら世も末だという酒風飲料がカストリである。
その一歩手前の酒と見下されているのがラム酒なのである。
その酒が庵主にはうまいのである。
しかしそういう事情があるからおおっぴらには飲めない酒なのである、でもうまい。
焼酎も日本ではつい最近までは安酒としてさげすまれていたのである。
肉体労働者が酔っぱらうためにあおる酒というイメージが強かったからである。
人と違って酒に上下はないのだけれど、たしかに、日本酒の洗練されたうまさを知ったら、
それに比べると蒸留酒のうまさというのは頭を使わなくてもわかるうまさなのである。