酒と煙草
それらをのまないでも全然平気な人がいるということは
人間がただ生きていく分にはなくてもいいものだということである。
とりわけ、女子供にはすすめられない二大不健康習慣なのである。
両方に共通する弊は臭いということである。
煙草の煙が吸着したすえたニオイや酔っぱらいの酒臭さが好きな人まずいないだろう。
その臭いの消臭法が一つあって、吸うこと、飲むことである。
自分からニンニクを食べればそのニオイがわからなくなるのと同じである。
酒煙草の魅力は、その飲酒後、または吸煙後に余韻として残る不健康感にある。
加えて、いっぱしの不良気分にひたれるからたまらないのである。
人は、ついいい人間を演じたくなるから酒と煙草でそれにブレーキをかけるのである。
アクセルだけでブレーキがついていない自動車はおっかなくて乗ってられない。
共産主義の間違いは人間の表(正義)を強調して裏(敵意)を剥き出しにすることにある。
表裏の釣り合い゙とれていないからどうにも美しくないのである、違和感がぬぐえない。
酒煙草のいいところはそのあとに襲ってくる虚しさにある。
虚しいからそれを紛らすために何かに打ち込んでみようかと思ってみたくなるのである。